平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
今回のコラムは、営業第2グループが担当させて頂きます。
2023年11月9日のコラムにて段ボール貼合用糊の特性についてご紹介させて頂きました。その際にも触れておりますが、糊の原料の大半は、澱粉で占められており、
段ボール業界では、主にコーンスターチが使用されております。
今回のコラムでは、コーンスターチについて詳しくご説明します。
1.はじめに
世の中に流通しているコーンスターチの種類として、糊を製糊する際に使用する工業用コーンスターチや食品用コーンスターチがあります。
工業用コーンスターチは、一般的に工業製品の製造に使用される目的で作られたものです。コーンスターチが使用される工業製品の例としては、紙や紙製品・布・繊維・建材・接着剤・化粧品・化学製品・ブロッキング防止剤などがあります。使用目的は、製造プロセスにおいて、固化や粘着性を付与するためです。
一方、食品用コーンスターチは、私たちが普段の食品や料理に使用するために作られたものです。このタイプのコーンスターチは、食品の増粘剤、安定剤、または澄まし剤として使用され、ソース、スープ、デザートなどの調理や製造において、食品の質感を改善するために利用されます。
要約すると、工業用コーンスターチは製品の製造に使用される一方で、食品用コーンスターチは私たちの普段の食品に使用されるため、それぞれの目的に応じて異なる特性や品質基準があります。
2.工業用コーンスターチとは
工業用コーンスターチの具体的な使用例について特性を交えながら説明します。
工業用コーンスターチは包装業界で広く活用されています。その例として、食品や化粧品などの製品を包装する際に使用する包装容器の主原料に活用されています。コーンスターチは水に溶けやすく、廃棄物として処理する際に環境に悪影響を及ぼしません。
さらに、工業用コーンスターチは紙業界でもよく使用されています。紙の製造過程で使用される接着剤やコーティング剤としてコーンスターチが活用されます。コーンスターチは粘性が高く、紙の強度や耐久性を高めることができます。私たちが取り扱う段ボール貼合用糊も、この特性を活かして接着します。また、コーンスターチは水を吸収する性質があり、紙の表面に塗布されることで、紙の滑りや耐久性を向上させる役割にも使用します。
上記内容以外にも、工業用コーンスターチの需要は、持続可能性や環境負荷の意識が高まるにつれてますます拡大していくと予想されます。
3.世界の澱粉事情について
コーンスターチは世界全体で約2,000万トン生産されています。中でも、アジアは全体量の約7割を占め、特に中国はアジア最大の生産地となっています。
中国では、近年、家畜への飼料として使用する量が大幅に増え、自国生産量だけでは賄うことができず、アメリカ等他国からの輸入量を増やすという事象もありました。
ちなみに、タピオカスターチはコーンスターチに次ぐ生産量で、アジアが約9割を占めている状況です。
日本国内に目を向けてみると、澱粉の需要量は約240万トンに対し、コーンスターチが約210万トン供給されており、約9割ほどを占めています。
日本の輸入元のランキング(2020年)ですと、アメリカが1位、ブラジルが2位、次いで南アフリカ、ロシアと続きます。
(参考文献:日本の畜産を考える会 とうもろこしの話2021年)
(※参考資料:農畜産振興機構 日本のでん粉事情に関する資料 2020年 世界のでん粉生産量)
4.さいごに
今回は、包装業界で幅広く使用される工業用コーンスターチを中心に説明しました。
このコラムを通じ、包装容器や資材、接着剤に使用できる環境にやさしい主原料をお探しの方にとって一つの選択肢としてご検討頂けましたら幸いです。
また、弊社にお問い合わせいただけましたら、コーンスターチ含め様々なご提案を
致します。
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今回も最後までご覧いただき有難う御座いました。